99年に発表された6thアルバム『13』以降、バンドを離脱していたギターのグレアム・コクソンが08年にバンドへ復帰。13年5月に予定されていた日本でのライヴがキャンセルになったことにより、ブラーの4人は香港のスタジオに入り、極秘のレコーディングを敢行する。ロンドンに戻った彼らは盟友スティーヴン・ストリートを招いて12年ぶりとなる8thアルバム『ザ・マジック・ウィップ』を完成させるが、本映画ではその制作過程やデーモン・アルバーンをはじめとするメンバーの心象風景を至近距離から描いている。
互いの心境をさらけ出したことで再びつながるようになったデーモンとグレアムの絆。香港という街がメタファーとなった『ザ・マジック・ウィップ』で実際に歌われているのはデーモンとグレアムの関係であり、心から和解したふたりの表情も見もの。結成当時の新鮮な気持ちを取り戻した4人が新曲と名曲を生き生きと演奏するシーンにも胸が熱くなる。
90年のデビュー以来、英国を象徴するバンドとして世界的な人気を保ち続けるブラー。その伝統と革新が奏でるメロディやサウンドの原点、あふれんばかりにほとばしる音楽への愛、そして4人の変わらない友情……思わず胸が熱くなるシーンを連続で捉えたブラーのありのままの姿を伝える『ブラー:ニュー・ワールド・タワーズ』。新作をたずさえた来日公演がまだ実現していないだけに、その最新ライヴ映像も必見だ。